日刊伯剌西爾蹴球新聞
いつの時代も数多くのクラッキ(名手)を生み出してきたブラジル。常にサッカーシーンの中心に位置し続ける「王国」について、ポルトガル語に堪能なスポーツ記者が取材や独自の情報源を基に記事を執筆、配信する。

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エクサへの長く険しい道/パレイラが語るW杯・上

2006/01/01(日)
 神はこの男に「重圧」という名の試練を与え続けるのだろうか。1994年のアメリカ大会で、母国を24年ぶりの栄冠に導いたブラジル代表のパレイラ監督は史上最強とさえ言われるタレントを手にドイツに乗り込む。「いかに優勝するか」ではなく「いかに美しく優勝するか」という贅沢な悩みを持つブラジル国民が注視するパレイラの采配。エクサ・カンペオン(6度目の王者)を合言葉にするセレソン(代表)の指揮官が心中を激白した。

 質 94年のセレソンは非常に守備的だったが、現在のチームは攻撃陣にタレントが揃う。パレイラ自身が変化したのか、それとも手持ちのタレントが必然的にあなたに攻撃的なチーム作りをさせたのか。

 パレイラ(以下パ) いかなるチームでも同じシステムを繰り返すことはない。それは私の柔軟性の表れでもある。それに違った時代を比較できないよ。それぞれの時代、そしてチームには個性がある。94年当時は、非常に特殊な状態にいた。何せ、ブラジルは20年以上も優勝を待ち焦がれていたんだから。今はまた、違った状況に置かれているよ。

 質 重圧の大きさも変化したのか。
 
 パ あの当時(94年)、プレッシャーは今よりもっと大きかった。あれだけ長い間、世界王者から遠ざかっているというサポーターの不満が、暴動と政治的危機などと混ぜ合わさっていたし、全ての嫌な雰囲気がセレソンに向けられていた。セレソンに関わった誰もが、非常にプレッシャーを感じていたようだったな。ただ、我々にとって幸運だったのは、散々批判され、失敗を繰り返したあの90年大会のメンバーをベースに持っていたことだった。彼らは94年大会に挑むとき、何をすべきで何をすべきでないか十分に理解してくれていた。90年のときは、馬鹿騒ぎが続いていたんだよ。父や母、嫁さんに子供……家族全員が選手に付きまとっていた。確かにプレッシャーに立ち向かう一つの方法が、家族といることだっていうのは分かる。でもあの状況では、家族といることがダメにするんだ。W杯はある種の戦争だよ。誰も嫁さんや子供を
戦争には連れて行かないだろ?

 質 プレッシャーを乗り越える秘訣は何?

 パ 家族と一緒に乗り越えるのさ、孫娘と遊んでね。経験もものを言うよ。私はすでにW杯やオリンピックを経験しているし、それが重圧を減らしてくれるし、どう対処すればいいかも教えてくれる。主に読書をしたり、絵を描いたりする趣味も非常に重要だね。でもそのための
時間がないけどね。もう4ヶ月近くも絵を描いていないし、テニスにいたっては2ヶ月もしていない。でもドイツに出発する直前は、4日間をアングラ・ドス・レイス(注・ブラジル有数の高級リゾート地)で過ごすよ、クルージングしてね。そうした日々が私に充電してくれるのさ。

 続く。

  パレイラ監督

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